2012年7月 9日 (月)

7.8千秋楽

 舞台の上の皆が輝いている瞬間をそのまま見るということの贅沢さについて。

 より小さく、より素朴で、ともすればより幼稚な筋書き、言葉、行為を通してだったからこそ、生身というもの、肉声というもの、つまり役者と芝居という装置の持つ底力を改めて意識させてもらえたのかもしれません。よかった。

 変わって行くものと、変わらないもの……上達することとか、熟練するということ、については、難しい問題でありどう捉えたら正解なのかは自分でもよくわかりません。

 続けているだけで素晴らしい、のはもう(続けられなかった自分からすれば)本当にそうなんだけれども、続けていくことで突き当たる問題というのが引き続き今の自分にもあって(生きつづけてはいるからね)、それが蓄積と向上と、進化の関係です。

 言葉にしやすい、把握しやすい目標に向かっていく中でとりこぼされてしまうものがあるのはある意味仕方のないことかもしれません。
 自動的な成長には抵抗したい一方で、今のままを保存したいと思ってしまったらもう、それは腐敗してしまうものだと聞いていますし、実際そうだと思います。「昔のほうがよかった」の昔、だって、今になって把握しやすくなっただけかもしれない。

(でも、ニンゲン進化なんてそうそうしないもんだよと達観してしまうにはまだまだ何もしてないよーと思います。そういう言い草にも抵抗したい)

 変わり続けること。言葉にしづらい、というかできない、自分でも把握できない、そういう目標とは呼べないような目標に向かって体当たりしていくことで、今の自分でもなく、知ってる他の誰かや見た事のある何かでもない、新しい自分になっていくこと。
 新しい自分っていうのはもう言葉とか自意識うんぬんの領域を超えて、人間の生きる幅の問題に直結してきます。そこでは良い事ばかりじゃなく、悪い事もしばしば起こります。

 制御しようと思ってもしきれない部分と、制御できる部分とのせめぎ合い、稽古に稽古を重ねてきた技術と、全くの偶然や自身の重ねた歳月とのミックス、
 それはなにも舞台の上だけじゃなく、日常のいたるところでみんなの身に起こっていることでもあります。意識の焦点からは、しばしばずれた場所に、ひっそりとあります。
 それがスポットライト浴びてキラキラしてるからいいんだなあ、たまらなくいいんだなあ。

 新しいって、いいことだと、今って、いいものだと、なんだろう、なんかすごく当たり前すぎてひどいようなことを言うと、自分の時間軸上の、今この瞬間瞬間を追っていく中で、この瞬間のために過去から準備して、全力を懸けてる人が目の前にいるっていう現実そのものに助けられることがあります。
 生きていくのはたいへんです。そういう、ひとりで歩いてる道に、なんか、どっと合流してくる。 

 そんな芝居の見方は、それこそ仏像でクギを打つようなものなのでしょうが……。

 どんなことを何度重ねても今はひとしく今だし。どうすればいいのかわからないこと山ほどあるし、心細いし、怖いし。
 蓄積っていうのは、そういう「今」に立ち向かう際に顧みることができる過去の体当たりの回数のことであってほしいし、向上とは体当たりの強度が増すことであってほしいです。とにかく、ぶつかり続けなくちゃだからなあ。
 どんな方向であっても、そういう進化を見たいし、したい。


 これは本当は日記にしか伝えられないことなんだけど、Rock around the Clockっていう、私がたまたま自分の店のBGMに流してた曲が二幕で繰り返しかかった時の気持ちとか、
 なんだろう、シンクロというものはこういうものではないのかもしれないし、それがどうした、っていうことなんですけども、でもそういう、きっと世の中にとってはただの偶然、(自分がBGM担当になった経緯なんかは、私の感慨でしかないから)自分以外の誰に言っても「ふーん」で済んでしまうであろう出来事を大事に保存したくなる瞬間が、生きているとあってさあ、あってさあ。そういう瞬間と瞬間のあいだを縫うようにして暮らしているようなものだからさあ。

 個人の過剰な思い入れ、思い込みにしか見えないかもしれないことがらにこうして、みんなして没頭してさあ、解釈と体現でもってこんな形にしてさ、エネルギー注ぎ込んでさ、完成させて、沢山の人に見せて。そういう姿はやっぱり美しいと思います。

 第20回公演。これからもがんばってください。私もがんばります。どうがんばってるかは、もう見てもらうしかないけれど……

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年1月 9日 (土)

年始の動向

ふとブログのことを思い出したので、
思い出した順に書いておきます。

・年末は、禿さんと優雅にお裁縫しておりました。
・新年になった瞬間は、椎野さんと禿さんが近くにおりました。
・帰省して、家族や猫と戯れました。こたつでみかんはとてもよいレジャーですね。
・横浜に戻って、中野さんやゼミの後輩と色々作業しておりました。
・現在安達さんが、なんだか大掛かりなものを作っています。
・現在高次さんが、今年の舞台芸術論Bをがんばって引っ張っています。私はオーエスオーエス、と応援する役です。
・ところでオーエスオーエスってなんなんでしょうか。

・新年早々友達を呼んで、我が家で朝まで飲みました。呼んだら来てくれる人たちがいるのは実にありがたいことです。声を掛けるのは勇気がいりますが、よかったです。
・ボート部の同期女子で集合しました。それぞれ個別には変化はありましたが、みんなが寄り集まった時の関係性というか雰囲気が全く変わってなくて笑ってしまいました。さすが、血と汗と涙の青春は伊達じゃありません。
・そして昨日はみんなでチラシなど色々沢山作りました。やはり個人作業より、誰かと一つのものを作る方が私は好きです。

・今日は大里さんの追悼イベントです。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2009年11月 4日 (水)

2週目閉幕!

下谷万年町物語、9公演目を終えました。
何より長屋の住人の皆さんが、
回を増すごとにどんどんのびのびいきいきしてきていて、
万年町の守り神としても非常にうれしゅうございます。
そして、いよいよ残すはあと3回。

何もかも全てが、そこで頂点に達するはずです。

一度はおいでよ万年町。
二度三度四度でも大歓迎です。
お待ちしております。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年10月31日 (土)

ふたたび、開幕

二週目に突入っ!!
休園日を経たメンバー一同、
万年町への愛着がますます膨らんでいる様子が見て取れます。

大きな別れを経て、自分の故障があって、
出られない公演と行けない旅公演があって、
そして舞台芸術論の芝居を二つ作って。
この二年間で私は、
そこに舞台があって、その上に人がひとりいるということが
どんなにすごいことか、それだけは確実に覚えた気がします。

そして流れ着いた、下谷万年町。
不思議な巡り合わせで集まったメンバーがあれだけいて、
その一員としてそこに存在できることを、
噛みしめて踏みしめようと思います。

そんなちょっとした感慨はあれど、満足してはいません。
それどころか日々悔しいことばかりです。まだまだ、です。

今はひたすら、できることをできるだけ。
ありったけを、ぶちまけます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年10月10日 (土)

史上最強の

衣装班です。
つくづくそう思います。

なんかもう…達人しかいない!!
いつか一人一人ご紹介したいところです。

日々その技術を目の当たりにするにつけ
皆さんがいなかったら私
一体どうするつもりだったんだろうと思います。
震えが来ますが、結論としては
ああ、いてくれてよかった!  その一言に尽きます。
そして、もう離しません。

どうやら近頃、ちと悩みすぎでした。
私もちゃんと楽しんでよかったんだなと思いました。

色々な人達に支えられ、やっとぼんやり見えてきた、二週間後の舞台の様子。

楽しみです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年10月 2日 (金)

差し迫る

10月です。

時間は限られています。

初心者だし下手ですが、
もうそんなこと言っていられません。私が衣装係です。

使う材料と道具と作り方を与えてもらっていた
これまでの公演とは違います。
ただ頑張ればいいわけじゃない。
ただ寝ないでやればいいわけじゃない。
手を動かしていれば、その間は漠然とした不安を振り切れますが
一度手を付けるとがむしゃらに没入しがちな分、やはり頭を使わねばなりません。

一晩かけて一つの装飾品を作る、
その一針を縫うことの意義は?

目の前のものだけでなく全体を考えること。
最終的に衣装は舞台美術の一部。役者の一部。
どうやって責任を果たして、みんなに渡せるか。

私だって、舞台班、音響班、照明班、制作班、みんなの働きを受け取って舞台に立つわけだから。
……踏ん張らなくては。

あと一週間で浅草入り。

心配事はまだまだあります。
ぐっすりと眠るのが後ろめたいような心境は続いています。
でも一日ずつベストを尽くすしかない、なぁ。

今だ! とばかりに家に戻って、髪を黒に戻しました。
気持ちが引き締まりました。

がんばります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年9月26日 (土)

疾走。

長らくブログと疎遠になっておりました。

一度距離を取ってしまったが最後、
普通の用事では戻れなくなってしまうのが落とし穴です。
一旦書き始めれば、書き残したいことは山のようにあるのに。

このおよそ二週間の間に何があったかと思い返すと、

・男娼役の皆さん合流
・野音にテント建つ
・高熱を出す
・衣装部に強力な救世主現る
・チケット発売
・浅草お練り開催
・全員集合、稽古開始、本番まで一ヶ月切る
・見ず知らずのおじいさんに助けてもらう

などなど。
なんだかもうそれぞれが遠い昔の話みたいでくらくらします。
毎日色々な人達に助けて頂いてばかりいるなぁ。

この一日ずつが蓄積して本番まで繋がっていくのだという認識が
いよいよリアルになってくる感じがします。
来月の今頃はもう本番。それでもまだまだこれからですよ!!

なんだかいろいろ感じ入ることの多いこの公演。
とにかく今は、駆け抜けましょう。

追記:
植村さんの作っていたカメは、
白熱する稽古の最中に残念ながら壊れてしまいました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年2月14日 (土)

告知!舞台芸術論B発表公演『少女都市からの呼び声』

唐戯曲の世界に触れるのも初めてながら、
舞台を踏むのも初めて、
という面々が大部分を占めるメンバーが集まって、はや1年。

毎週の授業と集中稽古を経て、
今年の集大成、発表公演の時期が近付いてきました。


* * * * * * * * * * *

2008年度舞台芸術論B発表公演
『少女都市からの呼び声』
作:唐十郎
演出:久保井研(劇団唐組)

出演:舞台芸術論B受講生+有志一同

<日時>
2008年2月28日(土)
開演… 13:00ー/17:00ー
(ダブルキャストによる2回公演)

<場所>
横浜国立大学教育人間科学部
第一研究棟4階420教室

★入場無料

★お問い合わせ・ご予約は
chihiro3109@aol.com (佐藤)まで。

(ご予約なしでも入場頂けますが、当日は混雑が予想されますので、
良い席をご希望の方はできるだけ前もって予約をして頂きますようお願いします)

* * * * * * * * * * *


本番まであと二週間。
練習や作業の現場にも静かな緊張感が漂ってきました。
初めて台本を手にしてから、現在に至るまでの
メンバーの様子を見ていると、

難解、というイメージが先行していた劇世界に身を投じ、
日夜台詞と戦い、練習を繰り返して役に寄り添うことで、
いつの間にかその世界の中に居る自分、に気付いていくようです。

講師である久保井研さんより、
芝居に生命を吹きこむような緻密な演出を浴びながら、
演技自体もぐんぐん育っています。

演出助手として影に日向にメンバーを支えながら、
そんな相乗効果の現場を目の当たりにするのは、
頼もしくもあり、うらやましくもあり。
とても良い経験です。


去年の発表公演『動物園が消える日』にあった、
「見えるやつもいるんだから、見えるところまで、かけだして行こうよ」
という台詞。

今まさにみんなで、見えるところまで走っているんだと思います。
一つの舞台を作り上げることの大変さと面白さを燃料にしながら。

唐さん御自身や、歴代の役者の皆さんに見えていたものがきっとあって、
あと二週間で、メンバーには何がどこまで見えてくるのか。


その景色を確かめに、ぜひ、足を運んで頂きたいと思います。

お待ちしております。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月29日 (月)

おわりました、そしてまたはじまります

6日間かぁ、なんて言っていたこの公演も、
こうして終わってしまうものです。
その実感は後からやってくるものです。
お越し頂いた皆様、どうもありがとうございました。

そして
2008年度舞台芸術論B発表公演、
「少女都市からの呼び声」
2月末の本番に向けて、着々と稽古&準備中。
今年もまた、学生の本気が炸裂することでしょう。

乞う、ご期待!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月24日 (水)

はじまりました

20081223194752

写真:
野毛通信社のショーウインドウにて
華麗に飾って頂いている公演チラシ

最終戦、開始致しました。
唐ゼミ横浜倉庫公演!

23火/15:00ー終了
24水/15:00ー当日券ございます
25木/19:30
26金/19:30
27土/15:00
28日/15:00

25日以降分、まだまだ前売り券の予約受付中です。
御予約方法はこちら

色々なクリスマスがあっていいと思います!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧