長いですが、すみません。
「きゅーちゃん(←私)はけっこーぬけてるトコあるからしんぱいやぁー」
と、おっとりとした印象の友人に言われたのはつい最近のことだ。
ばれてる人にはちゃんとばれている。自分では隠せているつもりでも、しっかりばれている。
その通り、私は時折、恐ろしいミスをしでかします。もはやおっちょこちょいの次元では、ない。シャレにならない。そこを無理矢理シャレにすることで事の深刻さをごまかしている日々です。
事例を挙げればきりがないので、今日は今日の話を。
昨日はその後、都合により床で寝た。都合…うちの猫がらみとだけ言っておく。
床なら寝坊もしないだろう、という作戦も兼ねつつ。
…まぁ、見事に失敗したけどね。
しっかり熟睡。いつものように寝坊。ぼんやりと目を覚まし、飛び起きて大騒ぎ。
遅刻は非常にマズいのであらゆる朝の行動をすっとばす。勿論化粧なんて滅相も無い。紫外線対策なんて始めから頭の中に無い。朝食はバナナ1本と麦茶を1杯。
しかも現場の最寄り駅から先はタクシー。稼ぎに行くのにタクシーなんて使う奴があるか!と、その時点である程度間違いは生じていた。しかし背に腹は代えられず。
何とか間に合って集合場所に着くも、現場に着替える場所が無い。やむを得ず隣の保育所にお願いして、中で着替えさせて頂いた。
集合場所から現場へ移動する際に、私は最大のミスをしでかした。
私とは別の現場へ行くトラックの荷台へ、着替えからタオルから財布から定期やら携帯から、とにかく私の全ての持ち物が入った荷物を乗せてしまった。間違いに気付いた時には、まぁ何とかなるだろうと呑気に構えていた。
…甘かった。
そして始まった工事現場の警備。というかつまりは交通誘導。
まず、無意味な動きをしてはいけない、という私にとっては辛い制約がある。というか、私の一挙手一投足全てに意味がついてしまうことを今更ながらに自覚。びびる。
たどたどしく車の流れをさばきながら、プール帰りの小学生3人組に、捕らえたセミを自慢されたり、おばちゃんに労ってもらったりして、午前中はスマイルの調子も良く無事終了。しかし朝のバナナの力だけで炎天下に立っていた私は、そろそろ水分と昼食を切望していた。
しかし、それが叶わないということが、昼の休憩の時に発覚。私は初めて事態の深刻さを思い知った。
私の荷物を積んだトラックは、私の担当の会社とは別の会社で、連絡の取りようがない。私は私で、携帯も荷物に入っているのでそこの担当のSPに連絡することもできない。
荷物はどうやら、そんなに簡単に戻ってくるものではないらしい。しかしそこには財布が入っている。というか全てが入っている。あれが無ければ私は一文無しどころか、完全な手ぶらだ。携帯も無いので助けを呼びようが無い。
まさか私が金すら持っていないとは思わなかったらしく、工事の兄ちゃん達は連れ立ってジョナサンへ行ってしまう。私は陽のさんさんと降り注ぐ真っ昼間の市街地に一人取り残された!
手ぶらで徘徊。
公園があれば水道がある筈!と徘徊。
しかし公園は無い。民家の庭にある蛇口が私を呼んでいた。見つかったら、お宅の庭の警備をしておりました、とか言おうか、とか一瞬考えた。言い訳完成。しかし警備員が住居侵入罪で捕まるとかちょっとシャレにならないので踏みとどまる。
結局スーパーマーケットを一つ見つけて、暫く中で涼んで、駐車場にあるベンチで10分程眠り、裏にある蛇口を拝借して水道水がぶ飲み。…ひもじかった。
それで昼休み終了。長い長い午後の始まり。
既に気力だけだった。しかも2時頃の最も暑い時間は、外出している人も皆無に等しい。暇。
住宅地なのに、人の姿が見えない。工事の人達は電線の高さまで上がってしまっているから、地上に居るのは私だけか!という状況だった。強烈に寂しかった。私はうさぎ年なので、寂しいと死んでしまうのだ。
周囲の民家の中には、確かに人が居るはずだ!ちゃんと人は居るんだ!と自分を励ました。ああ、透視ができたらなぁ、と思った。別に変な意味ではなく、確かに其処に人が居る、ということだけでも目に見えればなぁ、と思った。そうすれば、結構安心できるように思えた。しかし民家の壁はどんなに目を凝らしても壁でしかなく、ここは想像で耐える。
あと風鈴の音に癒される。風鈴って、いいものですね。
と、何かトリップしていた所へ、目の前の家からおじさんが登場、麦茶に氷を入れて出してくれた。
ああ、もう、これは、…!という、何これ。感激?感動?うーれしかったなぁ。
2口で飲み干した。冷たいものが、指先までさーっと浸透して行くのを感じた!一気に生き返る。
また別の人が水をくれたり、飼い猫(育ちの良さそうな三毛猫)を見せてくれたり(笑)して、ああ、いい人ばっかりだ!とやたらと感じ入る。
しかし流石に終盤となると限界だった。バナナ一本と水分だけでは、この久しぶりの炎天下に焼かれながら一日中突っ立ってられないって。おなかとせなかはくっつくし、足は棒になるしで、何か体がいろいろ大変だった。しかし全ては私が違うトラックに荷物を置いてしまったのが悪い。
へろへろなところを、車中の婦人に不条理な事を罵倒されたりして、更に消耗に消耗を重ねて、やっと終了。
荷物は本当に永遠に戻ってこないのではないだろうか?という予感が掠める中、私の荷物を乗せたトラックで現場へ向かっていた同僚のSPが持ってきてくれた。しかも荷物を掲げながら、向こうから走って持ってきた。
もう、スローモーションで見えた。ああ、やっぱりいい人ばっかりだ…!と、何か泣きそうだった。
その後速攻自動販売機で500mlペットボトルを買い、5歩進むうちに全て飲み干す。しかも全く喉の乾きが収まらない。結局3本飲んでやっと収まった。
何だか寝坊から始まる非常にバカバカしい間違いで通常の5倍近く疲労して、本当にバカだなぁと呆れ返ります。日焼けも凄いし。しかも、長袖長ズボンヘルメットに加え白手袋もしているので、焼けたのは顔だけ。
自分に呆れながらも考えた事。
警備員というものは、…まぁ警備員に限らず、常に知らない人達を相手にする仕事なら何でも同じだと思うけれど…、「これまでの自分」というものが全く通用しない。「今」その瞬間、その瞬間にした行動だけが、自分がどういうヤツかの判断材料になってしまい、しかもそれに対する弁明をする暇も無く、ドライバーとか歩行者は通り過ぎてしまう。
怖いな。これは、何か…闘いだ。
不条理なことも多々あるけれど、そこに何か面白さを感じます。
しかし…ホントどうにかならないものだろうか、この「ぬけてる」ところ。
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